Debit
メキシコのモンテレイで生まれ、アメリカに移住して育ったDebitことDelia Beatrizは、長い間、多くの異なる世界にまたがってきた。DJとしての彼女の選曲は、ラテンクラブミュージックの紛れもないスイングを鉄壁のテクノのフレームワークに焼き付け、プロデューサーや作曲家としては、アバンギャルドやドローンモードからヴァナキュラーダンスミュージックへと迷うことなくスライドしていく。
Beatrizは、ロードアイランド州プロビデンスで学んでいた2009年から演奏と録音を始め、南米とメキシコの様々な場所で電子音楽コミュニティに関わってきた。2013年にニューヨークに永住し、シンセリグをUSBに交換し、地元のダンスシーンで定期的にDJを行い、Debitという呼称を確立。2018年に〈N.A.A.F.I〉からリリースされたデビューアルバム『Animus』は、クラブサウンドとメランコリーなアンビエンスを織り交ぜ、FACT、Resident Advisor、Noiseyなどのメディアから絶賛を浴びた。NYUでミュージック・テクノロジーの大学院を学んでいた頃、Beatrizはこれまでの彼女の最も決定的な声明であるEP『System』を組み立てた。また、このEPは、彼女のユニークなアプローチの二面性を強固にし、リリース直後から普遍的な評価を受け、FACT、Pitchfork、Resident Advisorの年末のリストに大きく掲載されることとなった。
2022年、Beatrizは2枚目のアルバム『The Long Count』をリリース。本作は、未来を見通すために過去を掘り下げる、野心的なエレクトロ・アコースティック作品であり、マヤの管楽器について研究し、AIが楽器のアーカイブを創造的に再文脈化するのに役立つと考えた彼女は、機械学習を利用したデジタル楽器を開発し、完全に時代を超越したと感じる音楽を作り上げた。このアルバムは2月にイギリスの伝説的なインプリント〈Modern Love〉から発売され、Resident Advisor、Mix Mag、Dj Magでリリースされたその月のベストアルバムに入れられ、同時にThe Guardian紙ではその月のグローバルアルバムに選出された。また、このアルバムはBBC 3、Pitchfork、Dazed、IDなど多くのメディアで取り上げられ、Guardian誌の年間ベスト・グローバル・アルバム第3位にランクされるなど、長期的に高い評価を受けた。